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上級煎茶の証~お茶の「毛茸(もうじ)」のお話 2024.4.28


新茶を淹れると、お茶の表面にキラキラと一見埃のようなものが浮いていることが有ります。これはもちろん埃ではなくて、「毛茸(もうじ / もうじょう)」と呼ばれる、お茶の芯芽(若葉の裏側部分)に生える産毛が仕上げ茶に残ったものです。


毛茸は「トライコーム」や「毛状突起」とも呼ばれ様々な植物に見られるものですが、茶の樹の場合は、芯芽に包まれた幼い若葉を守ったり害虫の食害を防ぐ役目があり、茶葉が成長して固くなるにつれ次第に無くなっていきます。

つまりお茶に毛茸が多く見られることは、瑞々しい若葉を多く使った、旨みの深い上等なお茶と判断する一つの材料と言えるのです。


中国茶の世界では毛茸の多い芯芽を「白亳(はくごう)」と呼び、白亳を使った「白亳銀針」は高級茶として知られます。紅茶でもそうした芯芽は「シルバーティップス」や「ゴールデンティップス」と呼ばれ、高級紅茶のひとつの指標とされています。


ぜひ皆様もお茶を淹れた際、冬の寒さや害虫から若葉を守る植物の神秘、お茶の「毛茸」を探してみて下さい。



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